T-pot
ティーポット
田園調布雙葉学園同窓会会報第36号より抜粋
.......................同窓生を訪ねて........................................................................................................................................................

御手洗照子さんは慶應義塾大学文学部仏文科卒業。インテリアデザインやイラストレーションを勉強の後、銀座の輸入インテリア雑貨店で海外買い付け担当。その後、百貨店でインテリア家庭用品の企画開発担当、約十年勤務の後退職。三人のお子様の育児に専念する十年間の時代を経て、有限会社ティーポットを設立。
インテリア雑貨・食器の製造、流通、販売全般に関するコンサルティング。また、伝統産業の育成にも並々ならぬ関心と興味をお持ちで、伝統的工芸品産業振興協会を始めとした各種団体や委員会の審査委員を勤める傍ら、執筆・講演にとご活躍です。

お仕事(マーチャンダイジング・ディレクター)の具体的な内容とはどんなものですか。
インテリア雑貨、とくに陶磁器・ガラス器など食器を中心に、川上(産地)から川下(消費地)まで、とでも言ったらいいでしょうか。産地のメーカーには、消費地の情報を直に伝えて商品開発をしたり、それを的確な消費地の出口に結びつけたり。そういうことで、地域の産業が魅力あるものになれば、後継者の育成や地域の活性化にもつながるわけです。
一方、消費地では、百貨店や専門店の商品構成や販売促進、いわば売り場作りのお手伝いの仕事です。また、ナショナルブランドと呼ばれるメーカーさんたちとの取り組み。工芸品の展覧会やイベントの企画のような仕事も派生してきます。

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今の日本で、伝統工芸品としての器はどのような存在ですか。
器の文化は日本が誇れる文化です。「日本で一番のものは世界で一番」と言っても良いのではないでしょうか。ですから今のような時代、産地の製造元も、問屋さんも、ナショナルブランドも、売り場もみな元気になってもらわないと困るのです。何と行っても、日本の陶磁器産業は歴史も技術もあり、何より深さと広がりがあるのです。そういうソフトとしての面を、世界に発信していかなければ、と思うのです。同時に、最近さかんに言われる観光立国という面でも、伝統産業という一番日本らしいものが、海外から人を呼べるわけです。
また、私たち日本人自身も伝統的な器の素晴らしさを見直して、長く大切に使っていく。それが環境のためにも、また、今のスローライフという流れの中でも大切なことだと思います。

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海外にはどういう方法で日本製品を紹介するのですか。
一番オーソドックスな方法は、毎年開かれる各国の大きな見本市に出品することでしょう。ただ、欧米はフェイス・トゥ・フェイスの社会なので、日本のものの良さを理解して長期的に販売してもらうには、人間的なつながりも必要です。最近では、海外でも日本の若手のデザイナーが活躍し、日本人の感性も認められています。
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海外でのお仕事はその他にどのようなものがありますか。
去年、JICA(国際協力事業団)から声をかけられて、ベトナムに行きました。農閑期につくった工芸品を流通に乗せ、農村を豊かにという、いわばベトナムの工芸品のためのノウハウ作りです。とても興味のある仕事で、機会があればまた行きたいと思っています。日本のODAも、途上国に道路や橋を造るだけでなく、ソフトを含めて、いろいろな形に広がりつつあるようです。
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同窓の後輩へ何かメッセージをいただけますか。
今の仕事に至るまでには、紆余曲折はあったものの、おかげ様で好きな仕事をさせていただいています。そのこころざしというのは、中高生時代にすでに自分の中に芽生えていたと、今にして思うのです。そういうものを大切に、意識して見つめていると、いつかその夢は叶うのではないでしょうか。女性は育児や介護などで、それを一時横に置いておかなければならない時期もあるでしょう。そんな時でも忘れないでいれば、いつどんな形でかは分かりませんが、それが成就するのではないでしょうか。若い方は、短絡的に「何になるか」ということよりも、「どういうこころざしで生きていくか」ということを忘れずに、大切にされたら良いと思います。


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